※本ページにはプロモーションが含まれています。
※この物語は連載です。
▶ すべての始まりはこちら(第一話)
一年前、オンラインで購入したミニグッズに、一枚の絵葉書が添えられていた。
そこに描かれていたのは、青いバン。ルーフの看板には “RADIO RESCUE”。
調べてみると、それは英国のロードサービス「RAC」 の車両だった。
どこか惹かれるものを感じたが、そのときの私たちの愛車は黒のサルーン。
この葉書は、ブルーのバンを持つ人のもとへ行くべきだと思い、友人でカフェを経営するShimaさんにメッセージを添えて送った。
それから一年後。
私たちは 黄色のAAバンを手に入れる。
黒のサルーンと黄色のバン。
まさか、あの “ブルー” と繋がるとは、そのときは思いもしなかった。
だが納車後、車内に残されていたMOTの記録から、この車がかつてブルーだったことを知る。そしてほどなくして、剥がれた塗装の下から濃いブルーが姿を現した。
間違いない。この車は、もともとブルーだった。
さらに気になるのは装備だ。
この車に残された装備は、華やかなAA車両というよりも、どこか “現場の匂い” が強い。
それはRACの車両に見られる特徴とも重なる。
例えば、木製の仕切り棚や、ワークベンチと一体化した工具箱。リアドアの内側にセットされた収納ポケット。全てが黒塗りで統一されている。
そして最もRAC臭が漂うのが無線機とハンドマイクの位置。

AAではダッシュボードの上部中央に置くのが主流と言われたが、RACの標準装備は助手席側のダッシュボードの下。
どうだろう?
完全にRACに寄せている自分がいる。笑
ちなみに、Heritage Certificateには当時のボディカラーの記録は残されていなかった。
出荷先は、ブリストルのLex Motor Company。
Lexは当時、英国最大級のディーラー網を持ち、フリート向け車両の供給を得意としていた企業である。
そして調べを進める中で、ひとつの事実に行き当たる。
1999年、Lex Service GroupはRACを買収。
2002年には、社名そのものをRAC plcへと変更している。
LexとRAC。
この二つの名前は、決して無関係ではない。
ここまでの点を、ひとつずつ繋いでいく。
1972年、オックスフォード・カウリー工場で製造。
完成からわずか3日で出荷。
ブリストルのディーラー、Lex へ。
15万キロを走り切った記録。
黒を基調とした装備と無線機の配置。
そして、2002年から2004年の間に行われた塗装の変更。
ブルーからイエローへ。
そのすべてが、、、ひとつの方向を指し始める。
RACの存在が静かに浮かび上がる。
だが同時に 別の可能性も消えない。
たとえば企業のサービス車両。
あるいは地域のロードサービス。
無線機と工具を積み現場を走る車両は決して一つではない。
それでも――
この車に残された痕跡は、どこか “それ以上の何か” を感じさせる。
もしこのバンが、かつて別の現場を走っていたとしたら――
それは「RAC」だった可能性はないだろうか。
そして時は流れ、この車は何者かの手によってAA仕様へと再構築された。
その際、かつての装備は そのまま残された。
見た目はAA。だがその内側には、別の現場で積み重ねられた時間が流れている。
そう考えるのは少し強引だろうか。
すべての点が繋がりかけた、その時。
決定的な証言が現れる。
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ついに接触した “ある人物”
