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※この物語は連載です。
▶ すべての始まりはこちら(第1話)

AAバンのストーリー、いよいよ最終話。
1972年に製造された MINI 850 VAN。
Morris Motorsのカウリー工場で生まれたこの車は、 当初ブルーのボディをまとっていた。 30年で15万キロを走り切り、 ブリティッシュ・レイランドの時代を駆け抜けた一台。
そして2002年。
その役目を終え、静かに現役を退く――はずだった。
だが、その2年後。
この車は、イエローへと塗り替えられる。
さらに、無線機や装備を備え、 AA車両として再構築されていく。
この2年間に、何があったのか。
現場復帰のための変更だったのか。 それとも、”忠実な再現” のための準備期間だったのか。

主治医に確認したところ、 このイエローの塗装は、刷毛で施されていることがわかった。
もしこれが実働車であったなら、 あまりにもラフな仕上げだ。
そして、ロゴの違和感。
2004年当時、AAはすでに新しいロゴへ移行していたはずだ。 そう考えると―― この車は単なるレプリカなのか。
その答えを求めて、 ひたすら画像を探し続けた。
“AA VAN” “CLASSIC MINI” “1972”
それらしい情報は、なかなか見つからない。
そうこうしているうちに、ひとつの手がかりに辿り着く。
ナンバープレート、 “KAE 642L”
この番号で検索したとき、 一枚の画像が現れた。
Flickrに投稿された、2010年の写真。
Photo by Robert Knight (Flickr)
そこには、イベントに参加するこのバンの姿とともに、 ひとつの記述が残されていた。
The van was renamed the Mini 95 in 1978 to reflect the ,95 ton gross weight but the public continued to call it the Mini van. This is van belongs to the AA Historic Vehicle Fleet
Shot at Weston Park, Staffordshire 05.04.2010 Ref 58-083
AAのヒストリック・ビークル(歴史的車両)。
この一文が、すべての見え方を変えた。
すぐにアカウントを作成し、 投稿者であるRobert氏へメッセージを送る。
「この車両は、AAとして実働していたのでしょうか?」
数時間後、返信が届いた。
“100%とは言い切れないが、そうである可能性は高い”
この一言で、 ひとつの事実が浮かび上がる。
この車は、 AAに認められた存在であったということ。
では、 その前の “ブルーの時代” は何だったのか。 RACだったのか。 あるいは、別の現場だったのか。
その答えは、いまも断定できない。
だが、ひとつの仮説は浮かび上がる。
Lex Motorから出荷され、 何らかの現場で30年を走り続けた一台。
その後、AAの関係者によって再構築され、 ヒストリック・ビークルとして保管された。
2010年−2011年の間、Fleet Insuranceに加入していた痕跡とも一致する。
その過程で、 過去の装備はそのまま引き継がれた。
見た目はイエローのAA。 だがその奥にはブルーの時代が流れている。
この車は、ひとつの存在ではない。
いくつもの役割と時間を重ねながら、 ここまで辿り着いた一台だ。
そして今、 その続きを走らせているのは、私たち自身である。
すべてが明らかになった今、
この1ヶ月の調査について振り返ってみたい。
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